藤田佳祐|THEFOURDEYED ファッションという道
人気セレクトショップ”THEFOUREYED”のオーナー兼バーヤーである藤田佳祐氏。彼にとってのファッションの”道”について語っていただきました。
藤田さんは大阪時代に古着屋さんの店長をされていたり、「STREET」のカメラマンとしての経歴もお持ちですがいつからファッションに関わるようになりましたか?
ファッションに関わったのは19歳の時に、古着屋さんのアルバイトを始めたのがきっかけでした。
アパレルをしていた当初ストリート編集部の「STREET」でよくスナップされていたんですが、スナップカメラマンをしていた先輩がカメラマンをしてみないかと誘っていただいたのがきっかけでカメラを始めました。
編集部の方針で、カメラマンを育てるより「新しい感覚」だったり、「ファッションを生み出せる人」を見つけるスキルの方が重要な媒体だったので、基本的にスナップに載ってた子たちの中からカメラマンが選ばれることが多かったこともあり、先輩からスナップのカメラマンという座を受け継ぎました。
最初は触ったこともなかったので「できるの?!」という感じでした。。
その当時はスナップのメディアやブログなどが増えて綺麗な写真をとるスナップカメラマンが増えて来た時期だったのでだんだんとカメラのこと、撮り方など考えるようになりました。ちゃんとフォトグラファーとして活動したり、作品を撮影しだしたのはお店をオープンさせた時からなので3年ほどになります。
・いくつか撮影された作品を拝見させていただいたんですが、どれも少し懐かしさを感じる作品が多いなと思いました。作品を撮るにあたって共通している点はありますか?
身近に感じるものも意識してますね。
渋谷原宿近辺だと懐かしいものが減っていて、懐かしさを感じれる場所が少ないんですが、新宿とか歌舞伎町は他に比べると懐かしさ感じるような場所が多いのでそう行った場所で撮影したりしてます。
バイイングは基本渋川さんが行われているんですか?
商品のセレクトする時、二人で共有してるコンセプトやルールなどありますか?
バイイングは二人で行っていて、レディースは渋川さんに任せてます。
ほとんどレディースには口出さないです。
バイイングする中でのルールは変化があったりしますね。オープン当初と今ではコンセプトだったり哲学は少し違ったりします
今でも共通している点はデザイナーさんとの関係を大切にしてるところで、対等な関係で仲良くして行きたいので、取り扱ってるブランドのデザイナーさんとは直接やりとりしていることが多いです
・お店の位置がユニークですがここに決めた理由はありますか?
歌舞伎町って2丁目までしかなくて四方でいうと1キロ平方メートルもないんですよ。そんな小さな町で名前は全国区なのにドレス屋さん以外とか夜のお店以外のお洋服屋さんが1店舗もないんですよね。これは盲点だと思い決めました。
偶然なんですが、高校卒業して一番最初にした仕事がホストだったんです。その次にキャバクラの黒服をしていたんですがそれもあって水商売とか歌舞伎町に抵抗がなかったものあります。
この店自体も入る前は15年空き家で廃墟のようだったんですが、オバケ的なことは信じてないので怖さなどはなかったですね。逆に見つけた!って感じでした。
お店を立ち上げて苦労したこと、感動したことを教えてください。
抽象的ですけど、起業するっていろんな意味で自由を求めて始めると思うんですが、羽ばたいた結果一番不自由でしたね(笑)
大変っていう面で不自由でしたね。雇われる側から雇う側になってスタッフの管理とか思っているようにうまくいかなかったり、モチベーションとかが雇ってる側と雇われてる側でうまく重ならなかったりそういう時ですね。
感動したことは、自分が全力でやってるからこそ、それに対して感謝されたり評価された時が何倍も嬉しいですね。
・今セレクトしてるブランドの中で推してるブランドはありますか?
全部推したいんですが、あえて推すならどのブランドというより中国のブランドがきてると思います。
今までは中国のファッションといえば工場での生産というイメージやレッテルが大きかったんですが、そういったイメージの中国ではなく、新しいファッションから見る中国が面白いと思います。
全部対等に扱った時にヨーロッパだからかっこいいわけでも、日本だからちゃんとしてるブランドってわけでもなく中国らしい背景を持っていて、オリジナリティーがあるので日本でも紹介したいなと思います。
物販だけではない、「コミュニティスペースを目指す」ということをおっしゃられているのですが、その哲学はどういったところにありますか?ファッションが生み出すコミュニケーションの可能性、求められている価値はどんなことなのでしょうか?
平等に人に与えられるものは時間で、価値のあることは時間を共有することじゃないかなと思います。
ですが、SNSが身近になってから直接顔を見てコミュニケーションを取ったり時間を共有することが少なくなっていると思うんです。
自分が死ぬ直前、人生の走馬灯が見えた時に登場する人、時間、場所に価値があって、人生の思い出としてSNSを思い返すんじゃなくて、それを通じて出会った人たちとの思い出に価値があると思うんです。
すごいSNSに時間を費やしているのに、死ぬときもSNSしてたなーって考えるんじゃなくて、SNSを通じて起きたこと、出会った人たちをたくさん思い出すんじゃないかなって。
なので、SNSが自分の目安になっても、評価になることはないと思います。 なので、時間を共有できるコミュニケーションスペースを目指しています。
DWL=ファッションは生き様である。というコンセプトのメディアなのですが、ファッションと通した生き様とは?どのように生きたい。など教えてください。
ファッションって、柔道とか、華道、剣道という表現のように道だと思うんです。
口にするとめちゃくちゃ恥ずかしいんですが「ファッション道」
ファッションであろうが、他の道であろうが何を選択しても得れるものは変わらない。
たまたま僕はファッションという道を進んでいるだけで、ファッションの仕事をしているからどうだってことはないと思うんです。
重要なことはどの道を進んだかではなく、どこまで進んだかだか、どこまで突き進めたか。
僕にとって今がゴールでもないし、ファッションが全てではないので。
最後にファッション業界を目指している中高生や同世代の方々にメッセージをお願いします。
「お金を使いなさい」ですね。うちの店でではないです(笑)
例えば、柔道が強くなるには練習するのが一番大切っていうのと同じことだと思います。
想像してお洒落になれるなら。みんなお洒落になれると思いません?買い物して失敗したり、失敗してもそれをリカバーできるファッションを考えたりするのが粋なんじゃないかなと思います。
お金使わずしてお洒落になれるわけないと思います。
お洒落な体型って生まれ持ってなるものや、鍛えてなるものじゃないんですよ。単純に服を着た回数、脱いだ回数でお洒落な体型になっていくと思ってます。
僕はなんとなく肌でそう感じています。いっぱい脱いだり着たりしてる人ほど着方をわかってるし、そういう体型になっていると思います。
サッカーしてる人は足が太いと同じように、何かに特化してる人は体がそうなっていくじゃないですか。ファッションも同じだと思います。
いっぱい着たり脱いだりすることに費やす時間が多いほど、お洒落になると思います。